春。潮干狩りの季節。アサリの季節です。
あさりは、みそ汁、スープ、酒蒸しなど、日常よく食べる身近で人気のある貝です。
あさりにはカルシウムやカリウム、亜鉛などのミネラルが豊富なうえ、ビタミンB12やタウリンなどもたっぷり入って栄養いっぱい。
あさり100gあたりの栄養素をあげてみると、鉄分7.0mg、ビタミンB12が52.4μg、カルシウム80mg、カリウム140mg、亜鉛1.0mgなど。そのほか、マグネシウム、ナイアシンなども多くふくまれます。
貧血予防
栄養素が豊富ななかでも特に貧血予防としての効果が高いとされます。
そもそも貧血とは、鉄欠乏性で、鉄分を材料にして体内で作られるヘモグロビンが正常値よりも低い状態のことを言います。そのため、体内に鉄分が不足するとヘモグロビンおよび赤血球の生成が妨げられ貧血を起こしやすくなるわけです。
あさりにはヘモグロビンの生成に必要な鉄分、赤血球の生成を助けて造血作用があるビタミンB12、そして鉄分が利用されるのを助ける銅が豊富に含まれているので、貧血症の人や妊娠中の女性に有効です。鉄分については生で食べるよりも佃煮にした方が良が3倍以上に増えるので、佃煮がおすすめです。
現代人の病の予防に効く
また、あさりのうまみ成分になっているタウリンには血液中のコレステロールを低下させ、肝臓の解毒機能の向上という効能もあり、動脈硬化の予防に有効といわれています。特に旬(2~4月・9~10月)の時期にタウリンが増大します。
そのほか、肌や髪、爪の健康を保つ働きのある亜鉛、むくみ解消を助けるカリウム、骨や歯を丈夫にするカルシウム、糖尿病や高血圧、動脈硬化などの生活習慣病を予防するクロムなどが豊富に含まれています。
でも、食べ過ぎには注意
あさりはこのように現代人にとって有効な栄養素がたっぷり入った食材ですが、だからといって食べ過ぎると栄養のバランスが悪くなり、逆効果になってしまうので要注意です。特にアサリなどの貝類の鉄分は体内に吸収しやすいヘム鉄です。これが肝臓に多くたまると肝細胞が破壊されやすくなってしまいます。鉄は毒性の強いラジカルという物質を作りだしそれが肝臓を障害し、肝がんの発生にもつながります。
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さらに、肝臓にためきれないほど鉄分がいっぱいになると、血液に流れ出します。その鉄分は酸化しようと活性酸素を発生し生体分子を傷つけます。これもまた食べ過ぎの逆効果となってしまう要因です。
どんな食べ物でもそうですが、食べ過ぎには注意です。
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煮汁を一緒に食べましょう
栄養素も旨味成分も加熱した時に出る汁にたっぷりと含まれます。ですから、煮汁を一緒に摂れる、みそ汁やスープ、炊き込みご飯でいただくのがおすすめです。
なお、加熱するときは水から徐々に温めてください。すると旨味が汁によく出ます。
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